ABS樹脂上へのめっきは、製品の外観を向上させ付加価値を付ける、耐熱性、耐擦過性、耐衝撃性、耐候性などの機能面での付加価値を付ける等の目的で、1965年頃から行われるようになってきました。
ABS樹脂は、成形性に優れているとともに、表面処理のしやすさにおいても大変に優れています。ABS樹脂へのめっきの密着機構は、エッチングの工程でABS樹脂のブタジエン成分が溶解されて、それによってできた穴の中にめっきが均一に析出することでアンカーが形成されるからです。その為、めっきするABS樹脂は、成形品の表面のブタジエン粒子の形が良く、分散状態の良い事が条件とされます。つまり、ABS樹脂上へのめっきは、樹脂成形からめっきまでの一貫した技術開発によって高度な発展を遂げてきたのです。
ここでご紹介する「仏像」もABS樹脂成形品ですが、形状が複雑でめっき加工が難しいので、下地処理をはじめさまざまな技術が駆使されています。
めっきする部材の高集積化に対応して、複雑形状の材料の表面に均一に薄膜を形成するためのめっき技術の研究開発等、さまざまな取組みを行っております。また、微小な部品や微細な形状に組成や厚さを制御して、任意の金属を析出させるめっき技術の開発等、高度なめっき技術による加工を得意としています。
また、仏像・仏具や伝統工芸品のような複雑な形状をしたものへのめっきも得意としています。
当社では、指先ほどの微細な部品用の加工から、数メートルもある工芸品用の加工まで、あらゆるサイズの部材に対応しています。