• めっきのルーツは、紀元前1500年頃のメソポタミア北部。鉄器にスズめっき技術が使われていたそうです。その後、中国の春秋戦国時代(紀元前770~紀元前221年)に、はじめてアマルガム法によって塗金が施されたのですが、優れた塗金技術が見られるのは、前漢時代(紀元前206年~9年)に作られたとされる塗金の青銅器以後のようです。

    日本におけるめっきの歴史をひも解くと、水銀を塗布した面に金箔を押し付けて加熱する方法と金アマルガム(滅金)を用いる方法があったことがわかります。アマルガム鍍金は、水銀に金を融かして金アマルガムをつくり、これを塗布して加熱し水銀を蒸発させ金を固着させる方法で、752年の造立された東大寺の大仏のめっきに、この方法がもちいられた事が記されています。その際、めっきを施すために練金約146kg、水銀約820kgを使用したと記録されているそうです。塗金作業には約5年もの歳月を要し、蒸発した水銀による犠牲者が数多くでたそうです。現在のめっきは、18世紀から19世紀にかけて多く発明されたもので、エルキントンによる浸漬法による金めっきもこの頃発明されました。日本で初めて電気めっきを行ったのは、薩摩藩の島津斉彬で、1855年にダニエル電池を使って金、銀めっきを行ったと言われています。

  • 金めっきは、ネックレスやイヤリングといったアクセサリー類の他に、仏具や時計などのいわゆる装飾用部品に多く使われてきましたが、近年では、プリント配線板やコネクター、ICヘッダーなど、電子部品への利用が増えてきています。というのも、金めっきは、美しい光沢だけでなく、酸化皮膜を作らない耐食性の良さ、経時変化による接触抵抗値の変化が小さい、はんだ付け性が良い、ボン ディング性が優れている、誘電性が良い、など多くの利点を持っているからです。このような理由で、プリント配線板からコネクタまで幅広く利用されています。

  • 金めっきは、アルカリ性浴、中性浴、酸性浴、亜硫酸浴があり、その用途に応じて様々な種類のめっき浴が選択されています。金めっきは、電気と熱の伝導性、はんだ付け性に優れていて、経時的変化による接触抵抗値の変化が少ないのが特徴です。そのため装飾品や電子部品などに多く使われています。接点として金めっきを利用する場合には、金めっきそのものの腐食ではなく、下地金属の腐食による表面の汚染や表面の状態の悪化が問題となる事が多く、下地金属にパラジウムのような金と性質の似た金属をめっきしています。また、高耐食性が必要な場合は、後処理として封孔処理を行っています。

  • 銀は、金属の中で最も電気伝導性に優れているので、めっきに多く利用されています。はんだ付け性やボンディング性の良さから、リードフレームや各種スイッチ、接点、端子などに用いられています。さらに、潤滑性や焼き付き防止性、シール性にも優れているので、工業分野でも、軸受け、かん合部品、メカニカルシールなどの部品に多く用いられています。

    しかし、銀は空気中で酸化されやすい性質を持っているので、微量の硫化物によって黒くなりやすい、マイグレーションが起こりやすいという欠点があります。

  • ニッケルめっきは、各種の下地めっきとして、装飾品から電子部品にいたるまで、幅広い分野で用いられています。現在、最も一般的に用いられているのは、ワットによって開発されたワット浴で、添加剤の種類によって、無光沢、半光沢、光沢浴があります。

  • ロジウムめっきは、硬さと磨耗と変色への耐性に優れているので、宝飾品や全タイプの装飾用として、最も古い歴史を持っています。安定した接触抵抗と高い融点により、電気や電子関連の用途でも広く使われています。

    しかし、ロジウムは貴金属の中で最も高価なため、いくつかの例外を除いて、近年では、非常に薄い析出物に使用を制限されており、ニッケルや銀などの白色系金属の上に施される事が多くなっています。

  • めっきを長時間継続すると・・・めっきによる成形が可能となります。それが電鋳です。現在様々な分野で様々な材料を用いて活用されています

  • 高木金属株式会社 © TAKAGI-KINZOKU CO.,LTD All Rights Reserved.